私がバイオリンを始めたのは20歳になる直前でした。大学のオーケストラに入部して、先輩の手ほどきを受けながら、あこがれのバイオリンを弾ける喜びで、毎日夢中で練習していました。

その時は、何の疑問もなく先輩の教えを忠実に実行していましたが、今考えると、20歳直前の体の成長も止まりかけてきた世代には、体の柔らかい成長期にある10歳前の子供と違ったバイオリンの開始方法があるのではないかと思います。それがこのページを作るきっかけです。

体の柔らかい成長期にある子供は、大人にとってはきついバイオリンの構え方、弓の動かし方にも順応できます。楽器も子供に合わせた小さいサイズですから、何の苦も無く扱うことができます。教えるオーケストラの先輩も、子供のころからそういう指導を受けてきて、同じように教えようとします。ところが、体の固まりかけてきた20歳以降の世代には苦痛を伴うことがあります。もちろん人によっては体の柔らかい人がいて一概にそうとは言えませんが、歳と共に体が固くなるのはいたしかたないことです。大人になってからバイオリンを始める人達をレイトスターターと呼ぶことにしましょう。

レイトスターターがバイオリンを始める時に感じる苦痛は2点、基本ポジションでの左手指のフィンガリングと右手の運弓です。バイオリン演奏の基本となるものです。私は、左手指については基本のファーストポジションでなくサードポジションから、右手の運弓は弓の真ん中の短い部分だけを使った運弓でスタートすることで、楽にバイオリンを始めることができると考えます。このページでは、独学でバイオリンを始めようとしているレイトスターターに、私の経験から学んだ楽な練習方法を提案します。

バイオリンの選定

レイトスターターがバイオリンを選ぶときのことについて少しだけ話します。

体の小さい人は分数バイオリンを

大人ですから大人用のフルサイズ(4/4)を購入するのが普通ですが、必ずしもフルサイズでなければならないということはありません。

人によっては手の小さい人もいますし、体が固まり始めていますから、フルサイズでは左手指で音をとるのがきついという場合もあります。そんな時は3/4の分数バイオリンを買うという選択肢もあります。音量はフルサイズより小さくなりますが、趣味で弾くのなら問題ありません。無理して狂った音程で弾くよりずっとよいです。

ただしバイオリンは3/4の分数バイオリンでも、弓はフルサイズ用の弓を買いましょう。体の小さい人でも、フルサイズ用の弓を十分使いこなせますし、弓が長い方が大きい音を出すことができます。

肩当の選び方

肩当は基本的にないほうがよいです。しかし、レイトスターターが肩当なしで始めるのははっきり言ってきついです。肩当は使いましょう。

しかし、最近多くの人が使っているKUN(クン)の肩当は、バイオリンをしっかりと固定してしまい、自由な動きがとれず表現が制約されるため、私はあえて勧めません。しかし確かにレイトスターターが初めてバイオリンを始める場合は楽でしょう。バイオリンの不自然な構え方から少しでも開放される点ではよいかもしれません。

20160721kataate1私がバイオリンを始めたころはゴム製の本当に単純な安い肩当があったのですが、最近見かけません。これに近い物がインターネットで見つかりました。(右の写真)Konzertante(コンツェルタンテ)というものです。プロのバイオリン奏者とビオラ奏者が共同で開発したそうです。パッドの厚さを調節できるのも長所です。

 

 

20160721kataate2私は右の下の写真のような肩当を使っています。Play On Air(プレイオンエア)というものです。中に空気を吹き込んで膨らませます。ただしあまり膨らみませんから、厚みはありません。肩の衣類でバイオリンが滑るのを防ぐのが目的です。またバイオリンの底板の脇に引っ掛けて付けますので、脇の出っ張りが少ないバイオリンではうまく引っ掛からず落ちてしまうという弱点があります。

あご当てについて

あご当てはどうしてもないと弾けません。昔はあご当てもなかったようですが、そのころは顎と肩ではさむというより、肩の上に乗せて弾いていたのではないかと思います。

20160721agoateということで、たいがいあご当てがすでについた状態で販売されています。このあご当てがない場合、あるいはあご当てを交換してもらえる場合は、右の写真にありますようにバイオリンのテールピース(弦を引っ張っている根本の部分)をまたぐような幅の広いものにしましょう。この方が演奏しやすいです。

バイオリンの構え方・弓の持ち方

バイオリンの構え方については、数々の本があり、インターネットでも画像付きや動画で紹介されていますから、ここではあえて言及しません。レイトスターターだからといって特別な注意はありません。

弓の持ち方についても、本やインターネットで画像付きで紹介されていますので、あえて言及しません。レイトスターターへの特別な注意もありません。

バイオリンの練習を始める時の注意

レイトスターターだからというわけではありません。一般的な注意ですが、意外と知らない方が多いと思いますのでとりあげておきます。

つめ

つめは短く切ります。つめが長いと指を指板につくときじゃまになるからです。

練習前のバイオリンのチェック

駒がバイオリンの表板に対して直角に立っているか確認しましょう。傾いていると駒が倒れることがあります。バイオリンの弦の圧力はとても強いもので、倒れたとき表板を割ってしまうこともあります。

運弓の練習

いよいよバイオリンを持って弓で弾くことにします。

弓を持ってみる

親指、人差指、小指の3点で支えて、中指を添えるという感じで、手の甲が丸くなるように自然に待ちます。親指は下から支え、小指は梃の原理で弓の上下方向のバランスを保ちます。人差指は弓に圧力をかける役割をしています。最初はどうしても力が入りますが、練習しているうちに力が抜けてくるでしょうから心配しないでよいです。

バイオリンの弦に乗せている時一番大切なのは右肘の高さです。バイオリンと右手上腕、下腕から手首、そして弓とこの4つが同一平面にあるように構える時、右肘が正しい位置にあります。そして肘を中心に弓を上下(あるいは左右)させるのであって、上腕はほとんど動かしません。(弓の元で弾くときは上腕も少し動きます) 上腕まで動かしてしまうと弓が弦に対して直角になりません。上腕が動くということは肘が動くことです。肘も動かさないように、肘から先の下腕だけを動かします。下記のページに写真で解りやすく紹介されています。

http://バイオリン上達.com/120bowing/3-6bowing.html

解放弦を弾く練習

最初は解放弦(左指で何も抑えていない状態)で音を出す練習です。

ご存じのようにバイオリンの弦は、低いほうからG線、D線、A線、E線とありますが、一番弾きやすいのはA線ではないでしょうか。Aの音はオーケストラでチューニングするときの音ともなります。Aの音は440Hz(ヘルツ)が使われていましたが、最近は442Hzが多いです。ピアノの調律も442Hzから始めることが多いようです。

音叉やチューナーでA線を442Hzに合わせた後は、他の弦を調弦しなければなりませんが、ぴったりと調弦するには弓が弾けなければなりません。ですから最初はチューナーに合わせて他の弦も調弦するのはやむおえないでしょう。しかし、いつまでもチューナーに頼っていてはいけません。チューナーでは他の弦をぴったりと調弦することができません。2つの弦を同時に鳴らして、1Hzの100分の1の差もないように、完全5度(となりの弦との音程)の音程を調弦しなければいけません。

A線から弓の練習をするときは他の弦はの音はどうでもよいと思うかもしれませんが、そうではありません。バイオリンの弦どうしがお互いに共鳴して良い音になりますので、4つの弦がぴったり合っていないと、良い音を作る練習になりません。

まずA線で、弓の中1/4を使って弾きます。

弓を下方に弾くことをダウン(ダウンボウ、下げ弓)、上方に弾くことをアップ(アップボウ、上げ弓)と言い、記号ではダウンは ⊓ 、アップは ⋁ を使います。

私たちが普通に右肘を中心に弓を移動させると、肘を中心とした円運動となります。これでは弓が弦に対して直角になりませんので、次のような工夫が必要です。

ダウンボウの場合は写真のように親指を屈曲させて、手のひらで押し下げていくような感じで弾きます。

ダウンボウの右手の形

ダウンボウの右手の形

アップボウの場合は、写真のように親指は伸びて手で弓を引き上げていくような感じになります。

アップボウの右手の形

アップボウの右手の形

ダウンボウからアップボウになるときは、親指を伸ばしてアップボウの体制を作ってから弾きます。アップボウからダウンボウになるときは、親指を曲げてダウンボウの体制を作ってから弾きます。この繰り返しです。上達して特別な弓使いをするときは例外ですが、速い弓でも基本的にこの形を保つようにします。

それではまずA線で、弓の中1/4を使って弾いてみます。次の楽譜の1段目を弾いてみましょう。

解放弦の基本練習

Mと書かれているのは、弓の真ん中を使って弾くことを意味しています。
右手親指の動きを確認しながら、ゆっくりと弓の真ん中の1/4を使って弾きます。弓が駒に平行に(弓が弦と直角に)動いていることを確認してください。人間の腕は円運動をするようにできていますので、駒と平行になるには、親指の屈伸と同時に外側に押し出すように意識するとうまくいきます。納得のいくまで何回でも繰り返します。

ここで示している速度は目安です。これより遅くてもよいし、速くてもかまいません。少し速い速度の練習もぜひやってみてください。

これから後常に言えることですが、引き出す前に息を吸う習慣をつけましょう。私もそうでしたが、最初からこの習慣をつけないとなかなか習慣化しません。そして息を吸ってから引き出さないと良い音も出ませんし、他の人と合奏するときもタイミングが難しくなります。必ず息を吸って、弦の上に弓を乗せて(on the string)弾きだします。決して「over the string」にならないよう注意しましょう。

A線の次はD線、G線、E線と続けます。右肘の高さに注意しましょう。

移弦の練習

次は移弦の練習をしましょう。次の楽譜のように弾いてみましょう。

changestring

休符の間に右肘を上下させて正しい位置に移動し、弓の毛は弦の上に置いたまま弓を弾きます。弓を弾く前は、弓の毛は必ず弦上にあるようにします。(on teh string) 弦を移動する(移弦)ときは、余計な雑音が入らないように気をつけます。

音の強弱と弓の関係

音の強弱について考えてみましょう。音の強弱に関係するのは、弓の圧力と速度です。弓の圧力が強ければ当然音が大きくなります。弓の圧力は人指弓でかけます。弓の速度が速ければやはり音が大きくなります。そして、大切なことは弦上の弓の位置です。位置が適切でないと良い音になりません。弓の圧力と速度に適応した弓の位置(駒と指板の間の位置)があるのです。

弓に圧力をかけるときは駒に近い場所を弾きます。逆に弓に圧力をかけない浮かせたような弾き方のときは、指板に近い場所を弾きます。
弓の速度が遅いときは駒に近い場所を弾きます。逆に弓の速度が速いときは指板に近い場所を弾きます。
この弓の圧力と速度の関係で、駒と指板の間の最適な弓の位置が決まります。これは、何度も練習して、耳と右手で覚えるしかありません。

弓の圧力 強く→音量大 弱く→音量小
弓の速さ 早く→音量大 遅く→音量小

弓の圧力強く→駒に近い位置  弓の圧力弱く→指板に近い位置
弓の速さ速く→指板に近い位置 弓の速さ遅く→駒に近い位置

左指の練習

解放弦ばかりではおもしろくありませんので、左指で正しい音程をとる練習をしましょう。

レイトスターターにはサードポジション(3rd position 第3ポジション)から始めることを勧めます。それは下の写真でもわかるように、基本ポジションのファーストポジション(1st position 第1ポジション)は、指と指の間隔が広くて、指が固くなってきて初めてバイオリンを持つ人にはきついからです。左腕も長く伸ばすのでバイオリンを支えるのがつらくなります。(肩と顎だけでなく、左手でもバイオリンを支えます)そこで、指と指の間隔も少し狭くなり、バイオリンも持ちやすいサードポジションから始めます。初めてバイオリンを持つ人にはいっぱいやることがあって、全てに注意が行き届きません。ですから左手も楽なポジションから初めて、慣れてから基本ポジションに移ればいいわけです。

左は基本ポジション(ファーストポジション)の指の位置、右はサードポジションの指の位置

左は基本ポジション(ファーストポジション)の指の位置、右はサードポジションの指の位置

サードポジションでは次の音が出ます。

G線  ド、レ、ミ、ファ (英語、ドイツ語読みでは C、D、A、F)
D線  ソ、ラ、シ、ド  (英語読みでは      G、A、B、C)
(ドイツ語読みでは    G、A、H、C)
A線  レ、ミ、ファ、ソ (英語、ドイツ語読みでは D、E、F、G)
E線  ラ、シ、ド、レ  (英語読みでは      A、B、C、D)
(ドイツ語読みでは    A、H、C、D)

基本となるのは各弦の最初の音で、1の指(人差指)でとります。左手の指には番号が付けられていて、1:人差指、2:中指、3:薬指、4:小指 となります。各弦のそれぞれの音を、1,2,3,4の順番にとっていくわけです。

次のように、各弦の最初の音を1の指でとる練習をします。このとき他の指は弦の上(over the string)にあまり弦から離さずに自然にあるようにします。

3rdpos0

数字は指の番号を表していて、0は解放弦です。0と1の音程は完全4度になります。

スラーのついている音符は、中弓1/4を使って2音を弾きます。繰り返しは、2回以上納得のいくまで繰り返します。

ピアノの音程と比べながら確実に完全4度がとれるように、サードポジションの位置を覚えます。
実は1でとる音は、一つ低い弦とオクターブの関係にありますから、G線以外は一つ下の弦と同時に弾いて確認することができます。びったり合ってきれいに調和すれば、そこが正しい位置になります。

サードポジションがとれるようになったら、次はこのポジションで全ての音程をとってみましょう。次の楽譜で練習します。

3rdpos

ポイントは、半音音程のところは指をしっかりとくっつけることです。

半音の指の位置

半音音程の指の位置

半音音程は

G線、D線 は、3と4の指
A線、E線 は、2と3の指

になります。もう一つの組み合わせ、1と2の指の半音が出てきていません。実はこれが一番難しい音程ですので、次の楽譜でしっかりと練習しておきましょう。

3rdpos2

ここまでできましたら、サードポジションで音階を弾くことができます。次のハ長調の音階を弾いてみましょう。指番号は省略します。

3rdposcdur

ハ短調の音階も練習しましょう。

3rdposcmol

*のついているラ音は初めて出てきます。1の指を、元々の位置(ラ)から少し下げて(糸巻き側に引いて)とります。

音階も弾けるようになったところで、サードポジションだけで簡単な曲を演奏してみましょう。

star

どなたもご存じの「きらきら星」ですね。二分音符は弓の圧力を強くして、やはり中弓1/4で弾きます。ただ弓の圧力を強くしただけではきたない音になりますから、ここだけ弓の位置を駒に近づけます。そして次のアップボウで元の位置に戻します。

ファファミミレレド の最初のファのように、二分音符のあと小節の先頭にくるところは、ダウンボウにするのが音楽的なのですが、今の段階でダウンボウに戻すのは難しいため、アップボウで弾いておきます。

いろいろな曲を、サードポジションで弾ける調に移調して弾いてみましょう。シャープやフラットが入ってきますから、半音の場所が変わっています。半音のところで指をくっつけることに注意しましょう。

弓の量の拡張

これまで中弓の1/4を使って練習してきました。これから使う弓の量を増やしていきましょう。弓の量が増えても弓の持ち方、弾き方は変わりません。ただ長くなる分、弓のコントロールが難しくなってきます。特に弓が弦に直角になるように注意が必要です。それから、弓元に近い部分で弾いているときと弓先に近い部分で弾いているときとで、弓にかける人差指の圧力を変える必要があります。元に近いところで弾いているときは、弓自体の重みが加わるのに対して、弓先に近いところで弾いているときは、弓の重さが少なくなりますから、その分人差指で圧力を加える必要がでてくるからです。

弓はやはり中弓を使います。中弓の1/3、1/2と広げていきます。次の楽譜を、まずは中弓の1/3、それができたら1/2を使って弾いてみましょう。

openmiddele

ダウンボウからアップボウ、アップボウからダウンボウに切り替えることを「弓の返し」と言います。弓の返しの時の右手親指の動きに十分注意し、弓が弦に直角になるよう繰り返します。繰り返し記号は、納得のいくまで何度でも繰り返しましょう。

ここで弓の練習も兼ねて調弦の練習をしましょう。調弦は普通このくらいの弓の量を使って行います。次の楽譜のように調弦していきます。弓の速さは比較的ゆっくりで、自分で音がよく鳴ると思える速さがよいでしょう。

chuning

肘の高さは2つのそれぞれの弦を弾くときの高さの中間になります。2つの弦が同時に鳴る位置を探します。

調弦の手順は次のようになります。Aの音が正しくなっていることを前提にします。

1.AとDを同時に鳴らして、Dの糸巻き(ペグ)を上下に回しながらぴったり合ったところで止めます。
2.DとGを同時に鳴らして、Gの糸巻きを上下に回しながらぴったり合ったところで止めます。
3.AとEを同時に鳴らして、Eの糸巻きあるいはアジャスター(Eはアジャスターを付けているのが普通です)を回してぴったり合ったところで止めます。

ぴったり合っている感覚を掴むことが大切です。ぴったり合うとブラスの響きのように心地よく聞こえます。この感覚を経験するように何度でも糸巻きを動かしてみましょう。

ここで気をつけることは、完全5度の音程とかけ離れたところで糸巻きを回し続けていると、いつまでたってもぴったり合いませんし、張りすぎて弦を切ることもあります。最初2つの弦を1つずつ弾くか、右の指ではじいて音程を確認してから2つの弦を同時に弾くようにしましょう。

もうひとつ気を付けることは糸巻きを間違えないことです。今合わせようとしている弦以外の糸巻きを一生懸命動かしても音は変わらないし、別の弦を切ってしまうことになります。

それでは、弓の量を中弓1/3、1/2で音階を練習しましょう。

scale1

弓を多く使って、先ほどのきらきら星も演奏してみましょう。弓の量が増えることで、より大きい音で演奏できるようになります。

全弓の練習

いよいよ弓全体(全弓)を使う練習に入ります。弓の返しは今までと変わりませんが難しくなります。特にアップボウからダウンボウへの返しでは、弓が不安定になって弓を落としそうになりますので、小指でしっかりと上から押さえるようにしましょう。また弓元では、上腕の動きも加わってきます。弓の方向も、円運動にならないよう、弓が駒と平行になっているか確認して練習します。円運動にならないためには、肘を動かさないことと、体の外側に弓を押し出すような気持ちで弾くとよいです。

つぎの楽譜のように、解放弦と音階を練習します。「G」という文字は全弓で弾くことを表しています。ドイツ語の Ganzer Bogen の略です。ちなみに今まで出てきた中弓のMは Mitte des Borgen の略です。

openhole

scale2

サードポジション練習の集大成

それではサードポジションで様々なパターンの練習をしてバイオリンに慣れてしまいましょう。それには篠崎バイオリン教本を勧めます。

篠崎バイオリン教本3 第二部 第三の位置
全音楽譜出版社の改訂版(ISBN 4-11-322013-1) ですと、p.54 – 57

がこの目的にぴったりです。

基本ポジション(ファーストポジション)の練習

それではいよいよ基本ポジションであるファーストポジション(第一ポジション)に移ります。曲の中で大部分はこのポジションで弾かれます。

バイオリンを始める時、はぼ100%最初に教わるのがこのポジションです。そして、サードポジションにシフトする練習に移行していきます。子供の場合は手がやわらかいし、楽器も小さいのでこのポジションでも難なく習得していきます。しかし手の固まってきた大人がこのポジションからバイオリンをスタートするのは苦痛が伴うことを私は経験しているので、このレッスンでは比較的楽なサードポジションから始めました。サードポジションでバイオリンに慣れておけば、ファーストポジションも楽に習得できると私は考えています。

ファーストポジションは、サードポジションよりもぐっと左腕を伸ばします。左手の形はサードポジションのときと基本的に同じですが、指と指の間隔は広くなります。手の小さい人は最初きつく感じますが、努力して練習していくうちに指が届くようになります。指の筋肉が、ファーストポジションの指に適応してきます。サードポジションで慣れているので、上達も早いはずです。

それでは次の楽譜でファーストポジションのフィンガリングを練習しましょう。

1stpos1

解放弦(0)が入ってきます。
ミとファ、シとドの半音を、1、2でとるパターンは難しいのでよく練習しましょう。中指と薬指は仲が良いので、どうしても人差指と中指が広がってしまいがちです。またE線のファを1の指でとるのも、音程があいまいになりがちです。1の指を下げてとります。ピアノで確認するなどして、正しい音程を覚えましょう。

ファーストポジションでト長調とト短調の音階を弾いてみましょう。

1stscale1

1stscale2

指番号4と0を並記しているところは、どちらの指でもできるようにしましょう。

速さは自由に、いろいろな速さでできるようにしましょう。
弓の長さもいろいろ練習しましょう。2音をスラーで、4音をスラーで弾くなどいろいろなパターンを練習しましょう。

レイトスターターのためのバイオリンメソッドはここまでです。これから後は、今までのバイオリンメソードに従って練習してください。鈴木メソード、篠崎メソードなどいろいろありますね。自分に合ったメソードに従って上達をめざしてください。これら教則本と並行してぜひ勧めたいのが、小野アンナ著:ヴァイオリン音階教本を最初から練習することです。音階の練習はとても大切です。

このメソードでバイオリンを使いこなせるようになったあなたは、これからの上達も早いと思います。幸運を祈ります。

これまで紹介してきたメソードを実際に使えるように楽譜を作りました。
ダウンロードしてお使いください。