モバイルルーター選びは月額料金と通信容量から

自宅や会社の光回線など固定回線からインターネットに接続するのに対して、外や、家の中でも固定回線の機器から離れた場所でインターネットに接続する機器をモバイルルーター、あるいはモバイルWiFiルーターといいます。ポケットWiFi ということもありますが、厳密にはポケットWiFiは、ワイモバイル社が提供するモバイルWiFiルーターのことなので、ここではモバイルルーターに統一します。モバイルルーターの方が機能的にわかりやすい用語だと思います。

スマホのテザリング機能もモバイルルーターと同じです。それでもスマホと別に持つ人も大勢います。それは、モバイルルーターの方が気兼ねなくインターネットをサクサク使えるからです。

モバイルルーターはいっぱいあって、どれにしようか迷うことでしょう。そこで、モバイルルーターの種類と特徴を整理して、そのうえでどれが自分にあったものか考えてみましょう。(山本)

コンテンツ

モバイルルーターとは

モバイルルーターの通信規格

おすすめのモバイルルータープロバイダはこれです

レンタルモバイルルーター

日本国内のレンタルWiFiルーター

海外で使えるレンタルWiFiルーター

国に特化したレンタルWiFiルーター

翻訳機機能のついた便利なWiFiルーター

光回線を引けないマンションに朗報 LTEの変わり種

モバイルルーターとは

モバイルルーターとは、文字通り持ち運べるルーターのことです。建物の中で固定されて使われるものに対して移動できるルーターということです。

ルーターとは、周りのインターネット機器を選択して、その機器あての信号を送信するものです。これをルーティングといい、ルーティングをする機器がルーターです。ルーターの役割上、複数のインターネット機器と通信することを前提としています。

ルーターとインターネット機器との通信に使われる電波は、WiFi という電波です。

Wi-Fiは「Wi-Fi Alliance」という団体に認証された、無線LANの認定規格の1つで、IEEE 802.11 という国際的な通信規格を持つ端末同士を繋げることを約束しています。IEEE 802.11 と言った方がわかりやすい人もいるでしょう。私もその一人です。日本の端末を外国に持っていっても、WiFi 対応ならすぐつなぐことができます。

WiFiには、WiFi 発信機が必要で、それがモバイルルーターということになります。通信速度は速いですが、電波の届く範囲は半径10mほどと狭いです。そのため、WiFi発信機まで電波を送る手段が必要となります。

室内で使われている無線LANルーターは、光回線などの固定回線から電気信号を受けて、近くのインターネット機器にWiFi を送っています。ホテルやコーヒーショップなどの無料のWiFi も、この無線LANルーターから供給されています。

それでは、モバイルルーターに電気信号を供給するのは何でしょうか。当然無線電波ですね。この無線電波が大きく分けて2種類あります。LTEWiMAXです。

LTE

携帯電話やスマホで使われている電波と同じ電波です。業者(キャリア)は、ドコモ、au、ソフトバンク、Y!mobile の4社です。

WiMAX

UQコミュニケーションズが提供しているモバイルルーターに特化した電波です。

モバイルルーターの通信規格

それでは、モバイルルーターに使われている電波の通信規格について詳しく調べてみましょう。

LTE

携帯電話やスマホでは、これまで3G という第3世代通信システム通信規格が使われていました。(GとはGeneration のこと) そして今は3Gより10倍速い4Gとなり、これをLTE(Long Term Evolution) と呼びます。提供しているのは、ドコモ、au、ソフトバンク、Y!mobile の4社で、LTEの名称も異なります。それぞれの名称と通信速度をを比較してみます。

ドコモ au ソフトバンク Y!mobile
LTEの名称 PREMIUM 4G au 4G LTE Hybrid 4G LTE AXGP
FDDLTE
最大通信速度(下り) 988Mbps 958Mbps 612Mps 165Mbps
110Mbps

このように、ドコモ、au では光回線に匹敵する速さとなっています。

利用可能エリアは、各キャリアのエリアと同じです。つまり、携帯電話やスマホのエリアと同じになります。この4業者(キャリア)が設置した基地局の範囲内(1つの基地局から数キロ)ならばどこでも使用できます。

電波の範囲が広いので、日本のほとんどの地域で使用できます。基本的に屋外使用で、建物の中では電波が届かないところがあります。

電波は低周波数帯を使用していますので、高周波数帯を使用するWiMAX と比べると、建物などの影響が少なく安定しています。

使用量が7GB/月を超えると速度制限がかかります。この使用量を超えると、128Kbpsに一気に落とされてしまいますので、超えないように注意が必要です。

LTEの月額料金

プロバイダによりますが、3,000円~4,000円が多いようです。最初の2か月間は安く、以降は少し高くなるプロバイダが多いようです。

契約期間が2~3年というプロバイダが多く、途中解約すると違約金が発生します。

LTEは海外でも利用できる

日本国内で契約したLTE回線を利用するモバイルルーターは、海外でも使うことができます。ただし、海外向けの設定やオプションに申し込んでおかないと、高額な請求がされるので注意が必要です。キャリア別の海外向けサービスは以下です。

ドコモ:WORLD WING、パケットパック海外オプション

au :世界データ定額、海外ダブル定額

ソフトバンク:海外パケットし放題、アメリカ放題

† 海外向けのレンタルWiFiサービスもあります。この方が安価かもしれません。

携帯電話やスマホもモバイルルーター機能がある

実はLTEを使用している携帯電話やスマホもモバイルルーターの機能を持っています。テザリングがそれです。ですから、テザリング機能のある携帯電話やスマホがあれば、別にモバイルルーターを持つ必要はないんです。でも別に持っている人がいますね。なぜでしょう。

それは、テザリングがスマホのデータ通信量とバッテリーを著しく消耗するからです。スマホにはたいがい1か月に使えるデータ量の上限が決まっています。これはプランによって異なります。上限を超えると追加購入できますが料金が高くなります。

一方モバイルルーターは通信料金もスマホに比べると安めで、月間データ通信料無制限(ただしWiMAXの場合)といったプランもありますから、データ通信量を気にすることなく使えるわけです。

ですから、ちょっとしかデータ通信に使わないという人はスマホのテザリングを使えばいいし、外出先でもがっつり使いたいというヘビーユーザーは、もう一台モバイルルーターを購入するということになります。

WiMAX

KDDI傘下のUQコミュニケ―ションズ株式会社の提供しているUQWiMAX というWiFi ルーターのことをいいます。実際には、UQコミュニケーションズの管理しているWiMAX 回線をプロバイダーに貸出し、プロバイダーが独自のオプションをつけて提供しています。いわば、プロバイダーがWiMAX の代理店になります。

料金はLTEより安くなります。

現在使用されているのは、WiMAX 2+ という最大通信速度558Mbps(下り)というものです。WiMAXより通信速度は飛躍的に増加していますが、直近3日間で10GB以上使用した場合、一時的な速度制限(1Mbpsに低下)があります。しかし、1Mbpsでも、Youtubeの動画はストレスなく見ることができます。

WiMAXには、「通常プラン」と「使い放題プラン・ギガ放題プラン」がありますが、どちらも上の3日間10GBの速度制限はあります。しかし、LTEのような7GB/月のような制限はありません。これを「月間使用制限なし」というような表現をしています。

さらにWiMAXの通信速度や容量については2種類あって、次のようになっています。

ハイスピードモード ハイスピードプラスエリアモード
データ容量 無制限 7GB/月
最大通信速度(下り) 558Mbps 708Mbps
エリア WiMAX 2+エリア WiMAX 2+ と au 4G LTEエリア
要約 電波が建物に影響を受ける 回線速度安定している
別途料金がかかる

要するにハイスピードプラスエリアモードは、WiMAX 2+エリア以外では、au 4G LTE を使用しているということですね。

WiMAXの月額料金

WiMAXの月額料金には、通常プランとギガ放題の2種類あります。UQコミュニケーションズの場合は、次のようになります。

UQFlatツープラス(通常プラン) UQFlatツープラスギガ放題
月額料金 3,696円 4,380円
通信容量 7GB 無制限

プロバイダによっては、これより安く提供しているところがあります。最初の2か月は安く、以降は少し高くなるプロバイダが多いようです。

契約期間が2~3年というプロバイダが多く、途中解約すると違約金が発生します。

LTEとWiMAXの比較

ここでLTEとWiMAXを比較して、どちらが自分に適したモバイルルーターとなりえるかの判断基準をまとめてみましょう。

LTE WiMAX(WiMAX 2+)
最大通信速度(下り)*1 ドコモ:988Mbps
au:958Mbps
ソフトバンク:612Mbps
708Mbps
提供エリア 広い(スマホの各キャリア提供範囲と同じ) 狭い(ただし、使えなかった場合、「初期契約解除制度」で契約解除が可能)*2
通信品質 低周波数帯使用のため、建物等の影響を受けにくく安定している 高周波数帯使用のため、建物等の影響を受けやすい
通信容量制限 7GB/月
3日間6GB→128Kbps(au)
3日間10GB→128Kbps(Y!mobile)
月間通信容量無制限プランあり
3日間10GB→1Mbps
(YouTube問題ないレベル)
月額料金 3,000円~4,000円 3,696円と4,380円(UQコミュニケーションズ)
プロバイダにより2,000円台から
海外使用 可能 できない

*1 最大通信速度は使用する機器により異なります。

*2 これを補うため、ハイスピードプラスエリアモードがあります。これを使うのに必要なのがLTEオプション料で、1,005円/月ですが、使用年数やプロバイダによっては無料の場合があります。

おすすめのモバイルルータープロバイダはこれです

ここでお薦めのモバイルルーターを紹介しましょう。

LTE

SAKURA WiFi|自由放題WiFi、誕生。 (sakura-wifi.com)

SoftBank LTE を利用した回線です。
容量無制限ですからどれだけ使ってもたいじょうぶ。おまけに3日間の速度制限がありません
使わなくなったときに、解約金の支払いは不要です。

WiMAX



★BroadWiMAX★

月額料金が1,900円と、WiMAXの中で最安値です。

レンタルモバイルルーター

光回線やスマホと同じように、モバイルルーターにも2年間くらいの契約期間があります。途中解約すると1万円ほどの違約金が発生します。しかし、レンタルの場合は契約期間の縛りがないので、違約金が発生しません。ですから、長期間使い続けるという予定がない場合は、レンタルという選択肢があります。

またレンタルのなかには、LTEの7GB/月の制限のない使い放題や、200GB/月、使った日数だけ料金がかかるといったプランもあります。

ただし、ルーターを壊したり紛失した場合は、2万円程度の弁済金が発生しますのでご注意きださい。

日本国内のレンタルWiFiルーター

Wifiルータが格安で1日からレンタル可能!
出張・イベント利用・引っ越しなどの一時的な利用に便利【Wifiレンタルどっとこむ】

1日単位の利用が可能なので、次のような方にお勧めします。

引っ越し予定・引っ越し直後の方に、新居にネットを引くまでの間のつなぎとして

海外在住・留学中の方の一時帰国中、または帰国直後のインターネット環境として(11空港に計13箇所の受取返却カウンターあり)

入院中・入院予定の方のインターネット環境として

イベント会場のインターネット環境作りに、オンラインでのアンケートや客先でのプレゼンもスムーズに

購入前にお試しに、他社との契約前に電波チェックとして



海外で使えるレンタルWiFiルーター

キャリアで提供している海外接続オプション料金はこのようになっています。

ドコモ:パケットパック海外オプション 980円/24時間
au :世界データ定額  980円/24時間
ソフトバンク:海外パケットし放題 2,980円/24時間

1人で海外旅行する場合はこれでもいいかもしれません。しかし、グループで海外旅行する場合は、1台レンタルしてグループで使う方がお得ですね。

海外用モバイルルーターをレンタルするとき、料金はもちろんのこと、次の点にも考慮する必要があります。

1.行く目的の国で使えるか。

2.受取・返却方法はどうか。空港受取・返却、あるいは現地受取・返却が便利です。

3.盗難・紛失の際の補償オプションに加入する方が安心です。



海外WiFiレンタル
GLOBAL WiFi

「レンタル対応国一覧」を見ればわかるように、対応国がとても多いです。(200か国以上)世界のほとんどの国に対応しているようです。そのうち71か国は使用無制限プランがあります。
日本の17空港、36か所のカウンターで受取・返却ができるのも便利です。
料金も、たとえばアメリカで970円/1日と安いです。

国に特化したレンタルWiFiルーター

特定の国を対象としたレンタルWiFiルーターには、安い料金で使えるものもあります。その国の特徴を生かしたプランを提供しているでしょうから、有益な利用ができるでしょう。特に長期滞在には便利でしょう。

アメリカ専用レンタルWiFiルーター≪US DATA≫

ハワイ専用レンタルWiFi

ヨーロッパでWiFiルーター使うならユーロデータbasic!

利用制限なし!シンガポール専用
Wi-Fiルーターなら安定感抜群!【シンガポールデータ】

台湾データ通信Wi-Fi

オーストラリア国内で使用できる、
オーストラリアポケットWiFiルーター【オージーデータ】

光回線を引けないマンションに朗報 LTEの変わり種

ソフトバンクから出している SoftBank air という変わり種があります。機器が届いたらコンセントに差し込むだけでWiFi ルーターになるものです。工事費はかかりません。ソフトバンクの通信方式を使用したものですが、感覚的に光回線で無線LANルーターを使っているような感じですね。工事はいらないので、光回線を引けないマンションやアパートに住んでいるひとには便利と思います。

最大64台接続できる【SoftbankAir】

使えるエリアに制限がありますの で、下記サイトで確認が必要です。

「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」 住所別下り最大通信速度情報

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

トップへ戻る