箱根西麓三島野菜が美味しい

私は静岡県伊豆市(修善寺町)で生まれ、大学卒業後は首都圏で生活していて、数年前にほぼ50年ぶりに伊豆市に戻ってきました。

以前は全く知りませんでしたが、近くの三島に「箱根西麓三島野菜」という美味しいブランド野菜があることを最近知りました。近くの八百屋で見つけた「三島ほうれんそう」は、しっかりとした露地物で、ビタミンやミネラルがしっかりと含まれていそうな美味しいものでした。スーパーでよくみかける、ハウス物の緑の薄いヒョロヒョロしたほうれん草はもう食べられません。

地元に近いところにこんな美味しい野菜があることを知り、深く調べてみることにしました。

美味しい野菜は「箱根西麓三島野菜」と呼ばれる

ほうれん草以外にも、ニンジンや大根、白菜などいっぱいの美味しい野菜があります。これらは「箱根西麓三島野菜」と呼ばれます。「坂もの」とも呼ばれます。

箱根西麓三島野菜

美味しいは面白い。日本全国、食の旅。

これらに掲載されている写真でもわかるように、ビニールハウスなどほとんど見当たりません。すべて露地物です。

箱根西麓の野菜畑 上記サイトから引用

箱根西麓三島野菜の歴史は古く、鎌倉時代の精進料理にここの野菜が好んで使われていました。

江戸時代には、東海道の三島宿と箱根宿の間に5つの新田が開かれ、三島野菜が盛んに生産されて宿の客に提供されたようです。

明治時代になると、「坂もの」として近隣の温泉地で使われるほか、東海道線の開通で、関東・関西にも高級野菜として盛んに出回るようになりました。

戦後は、箱根西麓地域のジャガイモは「日本一うまいジャガイモ」と言われ、東京の帝国ホテルではまるごと料理したジャガイモが提供されていました。「三島コロッケ」という評判のコロッケもこのころから発売されたようです。

このようにして、ジャガイモだけでなく他の野菜も「日本一高い野菜」として定着していきました。

美味しい野菜作りの最適な環境

このような美味しい野菜ができるのは、ここが野菜作りの最適な環境にあるからです。

ここがどこにあるか見てみましょう。

箱根町周辺には箱根連山が取り囲んでいて、これらと中央火口丘を総称して箱根山と言います。箱根西麓とは、三島市と函南町周辺の箱根山の西側斜面を言います。そして薄い緑色で囲んだ地域が「箱根西麓三島野菜」の栽培されている所です。

有名な「三島スカイウォーク」はこのエリア内にあります。

箱根火山(さらに富士山)からの火砕流や溶岩流が堆積した火山灰土(関東ローム層)で、水はけが良く、野菜の栽培に適した土地です。箱根西麓の特徴を見てみましょう。

南向きの適度な傾斜地

日当たりが良く適度な傾斜で水はけが良いので、特に根菜類には最適です。三島野菜は「坂もの」とも言われます。

冷涼な空気

海抜50m以上に耕作地があります。病害虫の被害を受けにくくなります。

関東ローム層の肥沃な土地

主に箱根火山の噴火による火山灰の積もった関東ローム層に、長い年月にわたって蓄積された腐葉土の多い肥沃な土地になります。

良質な天然水

箱根山麓からの良質な天然水も、美味しい野菜作りに大いに貢献していると言えるでしょう。

箱根西麓三島野菜の代表的な野菜

いろいろな野菜が栽培されていますが、代表的な野菜を見てみましょう。

三島馬鈴薯

「じゃがいもと言えば北海道」と思われますが、「三島馬鈴薯」は高級野菜として市場で評価され、高級ホテルやレストランのシェフからも「日本一うまいじゃがいも」と評価されています。品種はメークインで、加工品としてではなく、じゃがいもそのものを生かす料理に使われます。

標高の高い所からくる寒暖差、水はけのよい関東ローム層の傾斜地が北海道とは異なる高級食材を生み出しているのでしょう。

三島甘藷

「日本の甘藷の値段は三島で決まる」と言われていたほど、昔から「三島甘藷」の品質は高かったようです。

最大の特徴は、甘み、ほくほく感、しっとりとした舌ざわりと申し分ないですね。やはり水はけのよい適度な傾斜と寒暖差の大きい気候が良いのでしょう。

とうもろこし

ゴールド系、シルバー系、どちらも最高の品質です。南向きの斜面で夏の太陽をふんだんに浴びて育ったとうもろこしは美味しいに決まってます。

三島大根

昔から箱根西麓を代表する伝統野菜の一つです。

火山灰が降り積もってできた関東ローム層のため雨が降っても固くならないので、深く根を張る大根にもストレス無く育つことができます。冬の寒さから身を守るために糖分をため込むので甘みが強く、食感が柔らかいのが特徴です。

晩秋ともなりますと、このような「大根かぐや」の景観が箱根西麓に広がり、「三島大根まつり」が開催されます。100年変わらぬ味を守り続ける「三島大根たくあん」の販売や、坂もの野菜の直売でにぎわいます。

三島人参

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国内でもトップクラスの糖度を持ち、果物のような風味や甘さに驚くことでしょう。

化学合成農薬・化学肥料を3割以上を削減し栽培された農産物に与えられる「エコ栽培農産物認証」を受けています。安心安全で味も絶品です。

大根と同じように、火山灰が降り積もってできた関東ローム層のため雨が降っても固くならないので、ストレス無く深く根を張ることができます。冬の寒さから身を守るために糖分をため込むので甘みが強く、食感が柔らかくなります。

三ツ谷白菜

箱根西麓の三ツ谷地区で50年前から生産されている白菜です。

身がしまっていて味が濃くやわらかで果物のような甘さが特徴です。霜に当たる12月~2月は特に甘さが増します。こんな白菜漬けを食べたいですね。

ほうれん草

私が箱根西麓三島野菜を知るきっかけとなったほうれん草。露地物で、大きくしっかりしていて根の赤い部分も太いです。これを食べたら、もうスーパーの温室育ちのひょろひょろほうれん草は食べれません。

西洋野菜も豊富

日本の伝統野菜だけでなく、レタス、カリフラワー、セルリなどの西洋野菜の生産も盛んです。

ここでは箱根西麓牛の飼育も盛んなことから、ふんだんに使用された堆肥で育った野菜は、甘みもあり美味しく仕上がります。

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