線状降水帯が大きな被害をもたらしている

9月9日から、台風18号から変わった温帯低気圧が東関東に大雨を降らせて大きな被害をもたらしています。それは線状降水帯によるものです。


9月10日7時30分の衛星画像(赤外)です。関東地方を南北に厚く低い雲が連なっています。これは、線状降水帯と呼ばれます。これが栃木県を中心に東関東に大雨を降らせて、大きな被害をもたらしています。なぜこのような線状降水帯が発生するのか、それは下の天気図で。

日本海には、台風18号から変わった温帯低気圧が、東の海上には台風17号が、カムチャツカ方面には強い勢力の高気圧があります。温帯低気圧と台風17号からは反時計回りの風が、高気圧からは時計回りの風が吹き、関東地方付近でぶつかります。ぶつかると、風は上にしか行けないので上昇気流となって雨雲を発生させます。これが線状降水帯です。

おまけに上空では偏西風が蛇行して、温帯低気圧を包み込むようにブロックしています。


これは200ヘクトパスカル(上空12,000m付近)の高層 天気図です。日本海上空で偏西風が大きく蛇行して、低気圧をブロックしているのがわかります。このため、台風18号から変わった温帯低気圧が移動できず、線状降水帯が1か所に留まってしまいます。

関東から東北にかけて、明日まで大雨が降り続くようです。厳重な警戒が必要です。