チェロを始めたい

定年退職してチェロを始める人が多いですね。それは理にかなっているでしょう。
バイオリンは、左手首を半回転して肩と顎の間にバイオリンを固定して弾きますから、姿勢が不自然で、体が固くなりかけているシニアにはきつい姿勢です。その点チェロは自然の姿勢で弾けますから、シニアにはよい選択肢です。
ただし、バイオリンよりも音が大きいですから、練習場所の確保が必要ですね。自宅で大きい音を出せないとしたら、スタジオを借りるとか、防音室を作るとかしないといけません。1畳タイプでも50万円は覚悟しないといけないようです。ただしチェロの場合、1畳ですと弓が壁に当たって思い切り弾けないかもしれません。私の知合いでチェロを始めた方がいますが、持ち家にもかかわらず奥さんが近所迷惑を心配するので、100万円ほどで防音室を購入したそうです。それでも人一人が入るのがやっとという狭さですって。弓が壁に当たるので、チェロを斜めに置いているそうです。今はこれより広い防音室を多少安く買えるようです。

指先を使うことはボケ防止にも役立ちます。これは、チェロの巨匠が高齢でもしゃきしゃきとしているのを見れば納得します。将来に備えて今からチェロを始めるのは、この点からも良いことです。

コンテンツ

さあチェロを始めましょう

チェロを取得する

先生を探す

教則本をそろえる

弓にはお金をかけた方がよい

さあチェロを始めましょう

さて、練習場が確保できたとして、準備するのはバイオリンとほぼ同じで、次のものです。
(1) チェロを取得する
(2) 先生を探す
(3) 教則本を選ぶ

チェロを取得する

チェロもやはりピンからキリまであります。バイオリンと違って入門セットはあまりみあたりません。最低3万円台ぐらいのようです。
チェロにも分数チェロがあります。以前分数チェロはないと書きましたが間違いでした。あります。
先に先生を探して先生に選んでいただくか、知り合いにチェロを弾く方がいたら選んでもらうか、インターネットでゲットすることになります。インターネットで注文するときの注意点をあげましょう。

① 弓が必要
セットになっているものが少ないので、インターネットでの購入はチェロ本体と別途弓も必要になります。弓がついているか確認しましょう。

② ケースが必要
ケースがどうしても必要になります。
ケース付か確認して、なけれが別途購入しましょう。
ケースには、ソフトケースとハードケースがあります。ソフトケースは運搬の時に注意が必要です。ハードケースはしっかりしていて安全ですが、値段が高くなります。昔は、厚いキャンバスのソフトケースばかりでしたから、最初はソフトケースで十分でしょう。

③ チェロにも分数チェロがある
バイオリンと同じようにチェロにもいくつかのサイズがあります。通常はフルサイズの4/4でよいですが、小柄な方はこのサイト「チェロの分数サイズ」を参考ししてみてください。

④ 必要な付属品(アクセサリー)
次のものが必要になります。
・松脂(まつやに、ロジン) チェロ用であるか確認しましょう
・チェロ用エンドピン・ストップ  チェロには下にエンドピンというものがあって、床に突き刺すような形で固定します。床を傷つけないような工夫が必要です。エンドピン用のラバー・キャップもあります。板を滑らないように工夫をして敷いてもよいでしょう。

・チューナー(音叉でもよいが、最近主流になっている 442Hz のものを選びます)
チェロの4本の弦を合わせるのは、2つの弦を同時に鳴らしてきれいにハモったところに合わせます。しかし慣れるまで時間がかかりますので、最初はチューナーを使うとよいでしょう。音叉はA(ラ)の音しかできませんが、チューナーは4本の弦の音を合わせることができます。

⑤ サイレントチェロについて
サイレントバイオリンと同じように、アンプに接続して使うものです。
「夜気兼ねなく弾ける」といううたい文句のあるものもありますが、指の練習程度しかできません。やはり、ちチェロ本体から出る音を聞いて練習しなければ練習になりません。あくまでも補助的なものと考えましょう。

先生を探す

チェロの弾き方の本を見て始めてもうまくいくものでははりません。先生についてレッスンを受けましょう。
ヤマハ、カワイといった大きな楽器店はもちろん、都市であれば地元の楽器店でスクールを開いているところがあります。最近定年退職してチェロを始める人が多いことを反映して、スクールを開催している楽器店が多いのです。
ただし、この場合は個人レッスンではなくて、グループレッスンです。グループレッスンの方が気楽で、仲間がいますから励みになるでしょう。
一番よいのは個人レッスンで、丁寧の教えてもらうことです。この方が上達は早いです。周りにチェロをやる人がいて、シニアでも教えてもらえる先生がいたら紹介してもらいましょう。

教則本をそろえる

やはり一番良いのは、先生の指定のもの、スクールで使用するものですが、紹介しておきます。

① ウェルナー:チェロ教則本
チェロのバイエルと言われるくらいよく使用される入門書です。ただし、退屈で挫折する人もいるとか。
しかし基本はしっかりとやらなければ上達しません。次のやさしい曲の入った教本と併用するのが良いでしょう。

ウェルナーチェロ教則本改訂版 [ ヨーゼフ・ヴェルナー ] PR

② 鈴木鎮一:チェロ指導曲集(1)
第1巻は基礎的な内容で、童謡が多く取り入れられています。親しみやすい反面、若年者向きでチェロを弾いている気分になれないと感じる人もいます。


③ レーブ(Loeb):スケールとアルペジオ
チェロには音階教本が少ないようですが、そのうちの一つ。やはり音階練習はどの楽器でも大切です。
ウェルナーでも音階練習できますが、これは本格的な音階教本です。音大の入試にも取り入れられているということです。

輸入楽譜/チェロ/レーブ:スケールとアルペジオの練習 PR

最後に頭にいれておいていただきたいことが二つあります。

一つ目は、チェロでは主にヘ音記号を使います。ト音記号しか見たことのない人は最初間違えますが、すぐ慣れます。
二つ目は、チェロに限ったことではなく楽器全般に言えることですが、「固定ド法」に慣れる必要があるということです。特に合唱をやっていて「移動ド法」に慣れている人は、最初とまどうようです。
「移動ド法」は、調が変わっったらその調の ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドで譜読みしますが、「固定ド法」は、調が変わっても ドの位置が動きません。ヘ音記号の第2間(下から2番目の間)の音は、調が変わっても常にドです。英語ではC(シー)、ドイツ語ではC(ツェー)ですね。

さて、あとはあなたのたゆまぬ努力です。
早い上達を期待しています。

TIPS 航空機ではチェロは一人分

チェロを持って航空機で移動するとき困ることは、チェロのために1座席分の航空券を買わなければいけないことです。たとえハードケースに入れたとしても、荷物として預けると壊される可能性が大です。航空機の荷物の扱いは乱暴です。特に外国ではどんなことされるかわかりません。さらに航空機の荷物室は極めて低温です。急激な温度変化でニスがはがれることもあります。ですから、チェロを持って航空機に乗るときは1座席分確保することが必要です。

こんな話があります。ある人がガラガラに空いている便に乗ったら、ただで乗せてくれたということです。ですから、すいている便を選んで、ダメもとで頼み込んでみるのもよいかもしれません。日本の航空会社でしたら配慮してくれるかもしれません。

こんなことも聞きました。航空機の緊急脱出口の前に、進行方向逆向きの席があります。ここは、離着陸時にスチュワーデスがベルトをして座ります。この席の向かいの席は通常空席となっていて、満席のような時に一般搭乗客が指定席にされることがあるようです。私も一度この席に座らせられたことがあります。ここの席に座ったら、緊急時にドアの開け閉めや誘導などを手伝わないといけないそうです。気が気ではありませんでした。この席を取ってもらって、チェロを前に置かせたもらったという人がいました。

弓にはお金をかけた方がよい

チェロ本体は安くても、良い弓を使った方が上達が早いです。安い弓を使っていると、悪いくせがつくことがあります。チェロは安くても、弓にはお金をかけましょう。少し弾けるようになってきたら、先生に良い弓を選んでいただくとよいです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

トップへ戻る