日本に検定試験、あるいはこれに類するものが数えきれないくらいいっぱいあります。その中には、ビジネスをする上で必要なもの、専門職種に就くために欠かせないものもあります。ここではこのような試験ではなく、仕事を離れて趣味や教養のために気軽に受ける検定試験を紹介していきます。長年の経験を生かし、あるいは退職後に新たに挑戦して検定試験に合格して、教養を広めたり、ボランティアに生かしたりしたらいかがでしょうか。また合格を目指して勉強すること自体大きな収穫となることでしょう。
コンテンツ
言語・コミュニケーション関係の検定試験
文化に関する検定試験
芸術に関する検定試験
歴史・地理関係の検定試験
PC・インターネット関連の検定試験
どのような検定試験があるのでしょう
検定試験はいっぱいあります。どのような検定試験があるか調べてみましょう。その中から、自分に興味がある検定試験を選んで挑戦しましょう。
言語・コミュニケーション関係の検定試験
言語・コミュニケーション関係の検定試験は最も多いのではないでしょうか。TOEIC、TOEFL、英検のような専門的なものではなくて、教養を深めるのに役立ちそうなユニークな検定試験を紹介していきましょう。
日本語検定(語検)
特定非営利活動法人 日本語検定委員会
普段私たちが何気なく使っている日本語ですが、思わぬ勘違いや思い違いも多くあります。日本語の総合的運用能力を6つの領域(敬語、文法、語彙、漢字、表記、言葉の意味)から幅広く検定します。正しい日本語を見つめなおす機会になるのではないでしょうか。
詳細は https://www.nihongokentei.jp/
日本漢字能力検定(漢検)
公益財団法人 日本漢字能力検定協会
ご存じ「漢検」です。敢えて説明はいらないでしょう。
詳細はこちらをご覧ください。http://www.kanken.or.jp/
ことわざ検定(こと検)
財団法人 ことわざ能力検定協会
日本の伝統的な言語文化である「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」を学び、その知識と技能を客観的に量るための検定試験です。これらの学びから国語・日本語の総合力強化を実現し、世界で活躍する人づくりに貢献します。(ことわざ能力検定協会のホームページより)
次の5つの出題カテゴリーがあります。
・読み(漢字や熟語の読み方)
・書き(漢字とひらがなの書き方)
・意味(ことわざと四字熟語の意味の理解)
・使い方(適切なことわざ・四字熟語の使用)
・発想(創作ことわざの作成、柔軟な思考)
詳細は http://www.kotowaza-kentei.jp/
全国手話検定試験
社会福祉法人 全国手話研修センター
センターによるとこの試験の目的は、
「手話の知識だけでなく、面接委員と手話で会話することにより、ろう者と手話でどの程度コミュニケーションができるのかを評価認定することです。
そして、
この試験が手話を学ばれるみなさんの学習の励み(目標)となり、そのレベルに応じて地域のろう者との交流や仕事などに活用していただけることを期待しています。
ボランティアとしてろう者の相談相手になったり、コミュニケーションの世界を広げるのによいのではないでしょうか。
詳細は http://www.com-sagano.com/
手話技能検定
NPO 手話技能検定協会
こちらの方は、現在の手話の言語としての技能を検定するための試験です。試験内容は通訳としての技能を検定するものではありません。手話の学習をした人がどのくらい手話能力が高まったかを知る試験です。気軽に受験してみてはいかがでしょうか。
観光英語検定
全国語学ビジネス観光教育協会
近年海外からの観光客が増加しています。逆に日本人も海外に観光旅行に行く機会が増えています。観光・旅行・ホテル・レストランといった場面で使用する英語は特殊な表現が多くあります。外国人観光客を日本に受け入れる時には、ホスピタリティの精神も必要となります。5年後には東京オリンピック、パラリンピックで海外の観光客が大勢訪れます。そのような観光客のガイド役を引き受けるのもよいでしょう。
出題の範囲は、空港、交通、ホテル、観光、ショッピング等の実際場面を想定したものに加えて、観光に必須の文化(着物、食べ物、習慣など)、地理、歴史の知識も問われます。
その他各国の語学・会話の検定試験が多数
英語はもとより、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、タイ語などの語学検定、会話検定試験がたくさんあります。以前外国語を習ったことのある方は、インターネットで検索してみるとよいでしょう。
文化に関する検定試験
日本の文化に関する検定試験もいろいろあります。世界遺産検定などもおもしろいですね。
きもの文化検定
一般社団法人 全日本きもの振興会
きものを学ぶことを通してきもの文化への理解を深め、もっときものに親しむことを目的としています。きもの文化検定審議会は次の各氏で構成されています。
千玄室(裏千家大宗匠)、池坊由紀(華道家元池坊次期家元)、稲森和夫(京セラ名誉会長)、コシノジュンコ(ファッションデザイナー)、高木賢(大日本蚕糸会会頭)、芳賀徹(静岡県立美術館館長)、冷泉貴実子(冷泉家時雨亭文庫常務理事)
「きもの文化検定合格者特典協力店・施設」で、合格認定証を呈示すると、きものや帯、小物などの商品を購入する際の割引や、施設利用の際の優待などの特典を受けられるそうです。
詳細は http://www.kimono-kentei.com/index.html
世界遺産検定
NPO法人 世界遺産アカデミー
人類共通の財産・宝物である世界遺産についての知識・理解を深め、学んだ内容を社会へ還元することを目指した検定ということです。世界遺産の保全活動の輪を広げることも目的にしています。受検料の一部はユネスコ世界遺産基金に寄付され、世界遺産の保護や保全に活かされています。
2006年に始まり、約8万人が受検し、5万人以上が認定されています。
芸術に関する検定試験
分化に関する検定試験の中でも芸術に関するものも多いので、特別に取り上げてみましょう。
映画検定
かつて、株式会社キネマ旬報社の映画検定がありましたが、今は実施されていません。
代わるものとして、こちらのサイトで実施されています。
http://www.shikakude.com/minsikakupaje/eiga.html
映像メディアは活字メディアとは異なる膨大なビジュアル情報を有しているため、映画を観ることでそれぞれの時代を知ることができます。
映画検定は、歴史・作品・俳優・スタッフ・業界など映画に関する知識をはかる試験です。
歴史・地理関係の検定試験
歴史や地理に関する検定試験にもおもしろいものがあります。
歴史能力検定(歴検)
歴史能力検定協会
社会、経済、文化の地球規模での交流が進み、国際的な協調、共生さらには競争の関係が増大する時代において、異なる歴史的・文化的背景や価値観を持つ人々と共生していくためには、我が国の歴史や伝統、文化を深く理解し、異なる歴史的・文化的背景を持つ人々に対し、これを適切に説明し理解を求めたり、主張したりすることのできる能力が必要です。
また、異なる歴史的・文化的背景や価値観の存在を視野に入れつつ、地球的規模で物事を考える基礎を培うには、世界の多様な国や地域の歴史や伝統、文化に対する理解を深めることも重要です。
「歴史能力検定」では、こうした時代の要請を踏まえ、先人が歩んできた道を振り返り、歴史に対する理解を深め、私たちがこれから歩んでいく道を考える判断力や洞察力を養うことができるよう出題を工夫し、世界に通用する人づくりに資することを目指しています。
(以上 歴史能力検定協会ホームページより引用)
旅行地理検定(地理検)
旅行地理検定協会
旅先の知識を豊かにし、旅をより楽しく充実したものにすることを目的に創設された試験です。旅の出会いやうれしい発見も、旅行地理の知識によってチャンスが増えることでしょう。旅行好きの人にはまた楽しみが増えますね。
国内旅行地理と海外旅行地理の2分野があり、中学の地理で扱われるような一般知識から、観光・特産物・行事などさまざまな知識を問われます。インターネットで受検することもできます。国家試験(総合・国内著効業務取扱管理者試験)の準備として活用するのもよいです。
詳細は https://www.chirikentei.jp/about/
ご当地検定
地方自治体や各地域の商工会議所
それぞれの地方自治体や地域の商工会議所が趣向をこらした検定試験を実施しています。これらは、Wikipedia で紹介されています。
Wikipedia の紹介ページ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%94%E5%BD%93%E5%9C%B0%E6%A4%9C%E5%AE%9A
江戸文化歴史検定(江戸検定・江戸検)
江戸文化歴史検定協会
江戸時代の歴史・文化を中心に様々なジャンルより出題されます。
毎年「お題」が決められていて、今年(2015年)のお題は「祭りだ!わっしょい~江戸の祭礼と歳時~」だそうです。
増加する外国人観光客のおもてなしのために挑戦してみてはいかがでしょう。
詳細は http://edoken.shopro.co.jp/
PC・インターネット関連の検定試験
趣味でパソコンを始めた方も挑戦してみるとよいでしょう。目標ができて、パソコンの勉強にも熱がはいります。情報処理試験とは違った視点で紹介します。
日商PC検定試験
日本商工会議所
パソコンソフト等によるビジネス文書作成能力や業務データの処理・分析能力、さらにネットワークを使いこなす事務能力や情報収集・発信能力といったスキルを育成する目的で創設されました。
日商PC検定試験(文書作成)、日商PC検定試験(データ活用)、日商PC検定試験(プレゼン資料作成)の3つの分野に分かれます。
試験創設の目的からすると難しそうですが、3級でしたら初心者でも挑戦できると思います。
詳細は http://www.kentei.ne.jp/pc
電子メール活用能力検定
日本商工会議所
電子メールを利用している人が増えています。企業人として電子メールを利用する上で知っておくべき知識、必要とされる知識を中心に、次の範囲で出題されます。
・電子メールの概要と特徴
・電子メールの作法
・電子メールの文書技術
・電子メールの仕組み
・セキュリティー
・社会的なルールの遵守
・電子メールの活用
企業人を対象にしていますが、日常生活でも知っておく必要があります。
試験会場のパソコンを利用して実施します。試験終了後、受験者の答案がインターネットを介して採点され、即時に合否判定を行い、結果が通知されます。