私の嫌いな日本語「・・・させていただきます」

最近やたらと多いと思います。「・・・させていただきます」。

見させていただきます
行かせていただきます
帰らせていただきます
食べさせていただきます
・・・・・

挙げればきりがありません。なんでも「させていただきます」とつければ丁寧になると思っているようです。過剰敬語もはなはだしい。

そもそも「させていただく」は、相手に許可を求めている表現なのです。それを勝手に許可をいただいたように言うのはどうでしょうか。相手に失礼ではないでしょうか。「まだ許可したわけではないよ」と言いたくなります。「・・・させてください」とまず相手の許可を得て、「ではそういたします」とするのが筋ではないでしょうか。

「させていただく」には、もう一つの意味があります。それは、「自分は本意ではないけれど、あなたが望むので仕方なくそのようにします」という受け身的な気持ちが含まれていることです。つまり、相手に責任を押しつけたいという気持ちがあります。

お詫びさせていただきます
謝罪させていただきます(いじめと認定しなかった市教育委が一転いじめと認めたときの謝罪)
訂正させていただきます

 「お詫びいたします」、「謝罪いたします」、「訂正いたします」とはっきり言った方がどんなにか誠意が伝わると思うのですが。

中には全く無意味な「させていただく」があります。

「重宝させていただいております」全く無意味ですね。「重宝しています」ではだめなのでしょうか。

芸能人がよく使う言い回しに、 「おかげで芸能生活30年を迎えさせていただきました」があります。はっきりと「おかげで芸能生活30年を迎えました」でいいでしょう。

あの小池都知事でも使っています。 「政党復活予算を廃止させていただきます」。「政党復活予算を廃止いたします」と名言した方が、「私が責任をもって行います」という意思が伝わります。

「(料理を)平らげさせていただきました」「いただかせていただきます」
癖のように、無意識に意味のない「させていただく」がでてきてしまうようです。

さらに先日、テレビでおかしな場面に遭遇しました。美しい桜を見て、
「思わずシャッターを切らせていただきました」
「させていただく」の意味を全く考えず、口癖のように出てくるのでしょう。こんなこと言っていると、「ボーッと生きてんじゃねえよ」とチコちゃんに叱られそうですね。

では、どのような時に「させていただく」が使えるのだろうか。テレビの取材などでよく使われる次のような場合だろう。

特別な許可を得て入らせていただきました

許可を得ていることがはっきりと示されているし、「許可を得て入りました」では乱暴な表現になります。「させていただく」を入れないとおかしいと感じたら入れるべきだろう。

なぜこんなにも過剰敬語が氾濫するようになったのだろう。私は、京都や大阪の商人のへりくだった言い回しが、芸能人やタレントに取り入れられて広まったのではないかと思います。芸能人やタレントの影響は大きいです。

ただし、いつごろから始まったのか考えると、芸能人やタレントの影響と一概にも言えません。文豪の小説を読んでいると、森鴎外には見あたりません。夏目漱石には女性だけの言葉として出てくるようです。女性の間で使われていた表現が、京都や大阪の商人のへりくだりを美意識と感じた芸能人やタレントによって、一気に男性の間にも広がったのだと私は考えます。

 

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