テレビが一家に一台の時代は家族がまとまっていた

テレビが普及し始めたのは私が小学生のころでした。まだ一家に一台しかない時代、茶の間に家族全員が集って一つの番組を見て、お互いに笑ったり意見を言い合っていました。家族喧嘩をしても、テレビを見たいために気まずそうな顔をして集まり、そのうち打ち解けていきました。

ところが現代は、各部屋に一台のテレビがある時代です。家族それぞれが部屋に閉じこもて見ている時代です。誰がどんな番組を見ているかもわからないし関心も示さない。家族間の距離は次第に遠のいていきます。豊かさは一方で家族の絆を奪っています。

モバイルの普及も家族の絆を疎遠にしているといってもいいでしょう。同じソファーに座っていながら、夫婦間、親子間でモバイルをのぞき込んで話もしない。すぐそばにいながらメールでやりとりしていることだってあります。電車の中では皆モバイルを覗き込むことに夢中で、周りで起こっていることに関心を示さない。こうして人間は視野が狭くなっていきます。

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