スコアメーカーでソロ入りのパート譜を作成する

ソロの入る曲のパート譜では、ソロの楽譜も表示したほうが演奏しやすいことがあります。スコアメーカーでこのようなパート譜を作ってみましょう。

チャイコフスキーのバレー「白鳥の湖」のACT2 No.13 Danses des cygnes 白鳥たちの踊りの5番目に「オデットと王子のアダージョ」があります。この曲の弦楽器のパート譜は、まさにバイオリン・ソロを併記したほうが演奏しやすいでしょう。

第1バイオリンのパート譜

第一バイオリンのトップがソロを弾きますから、第1バイオリンののパート譜は、ソロと他のプレイヤーの楽譜を合体したものが必要です。しかし、ソロだけの部分、ソロの入らない部分は、必要な部分だけを表示するようにします。

バイオリン・ソロとハープのデュエットがあって、そのあと第1バイオリン(弦楽器)のピチカートが入ります。最後の方は、ソロはなく弦楽器のトゥッティになります。

このようなパート譜はどのように作るでしょうか。

ソロパートと第1バイオリンを並列させるので、2つのパートを選択してパート譜作成をします。

離れたパートを選択するには、ソロパート全体を選択し、CTLキーを押しながらVioliniⅠ

全体を選択します。

ファイル>パート譜の作成 を選択します。

「選択したパートをセットにしてパート譜にする」をチェックしてパート譜の作成に入ります。

最初のパート譜だけの部分は、第一バイオリンのパートを消します。消すには「マスク」を使用します。

マスクする部分を選択して、

プロパティを表示して、「マスク」にチェックをします。

「マスク表示」をOFFにすると、第1バイオリンのパートが表示されなくなりました。

ソロと第1バイオリンが平行する部分は、そのままにします。

ソロがなくて第1バイオリンだけある部分は、最初の時と反対に、ソロの休止の小節を選択してマスクすることによって、第1バイオリンだけを表示するようにします。

演奏しやすくするために段落の調整をします。それには、「楽譜の設定」の「五線」を表示します。

「最大段落数を指定」と「間隔を指定」の方法がありますが、ここでは「間隔を指定」を使いました。段落とパートの間隔をこのようにしてみました。その結果が次のようになりました。

最初のソロだけ

ソロと第一バイオリン

第一バイオリンだけ

最初のソロだけの部分の段落の幅と、3つ目の第1バイオリンだけの部分の段落の幅が違います。後ろの方が、段落の幅が小さくなって見やすくなっています。「マスク表示」をONにしてみますと、マスクしたソロのパートが、第1バイオリンの下に潜り込むようになっているのがわかります。

最初の段落がだだっ広いところもこのようにしたいのですが、方法がみつかりません。五線を上下に移動できるのですが、一方の五線に重なりません。

この部分までしか移動できません。しかも、「楽譜の設定」の「五線」を表示してOKをしても、元に戻ってしまいます。後ろのように段落の間隔を短くしたいのですが、方法がみつかりません。これからの課題です。

第1バイオリン以外の弦楽器のパート譜

それでは、ソロパートのない第1バイオリン以外の弦楽器のパート譜を作りましょう。第2バイオリンを作ってみましょう。このようなパート譜にします。

この場合、ソロパートは、演奏する上で参考にするために必要な箇所だけ小さく表示すればよいので、ソロパートは五線の幅を小さくします。

ソロパートを選択してプロパティを開き、「サイズ」を小さい値にします。ここでは60%にしてみます。

次にソロパートとの間隔を調整します。(全体のページ数を見てあとで調整してもよい)

「楽譜の設定」の「五線」で、「間隔を指定」の「パートの間隔」を調整します。30Tと小さくしました。背景の五線紙でパートの幅が狭くなっています。

段落が込み合うような場合は、「段落の間隔」も調整します。

これで、必要ないところは、ソロのパートをマスクすればよいのです。

ここで新技術を発見しました。2つのパートを重ねて、段落幅を狭めることができます。

ソロパート部分を下げると、下の第2バイオリンの五線の中に入り込みます。

ソロパートを第2バイオリンに接近させました。

「楽譜の設定」の「五線」の設定画面を出してOKをすると、それぞれ次のように第2バイオリンの下にソロパートが潜り込むようになり、段落間がちょうどよい幅になりました。

「マスク表示」をONにしているので、重なり具合がわかります。

これでわかったことは、下のパートを上のパートに重ねることはできないが、上のパートを下のパートに重ねることはできるということです。

さらにわかったことは、上のパートの段の全小節をマスクすることで、「楽譜の設定」の「五線」の設定画面を出してOKをすると、自動的に上のパートが下のパートに重なることです。

規則性がだんだんわかってきました。

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